書誌種別 |
図書 |
タイトル |
古代国家形成期の社会と交通 |
タイトルヨミ |
コダイ コッカ ケイセイキ ノ シャカイ ト コウツウ |
人名 |
田中 裕/著
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人名ヨミ |
タナカ ユタカ |
出版者・発行者 |
同成社
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出版者・発行者等ヨミ |
ドウセイシャ |
出版地・発行地 |
東京 |
出版・発行年月 |
2023.4 |
ページ数または枚数・巻数 |
10,426p |
大きさ |
22cm |
価格 |
¥9000 |
ISBN |
978-4-88621-907-7 |
ISBN |
4-88621-907-7 |
注記 |
文献:p387〜417 |
分類記号 |
210.32
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件名 |
日本-歴史-大和時代
/
古墳
/
交通-日本
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内容紹介 |
古代日本の国家形成期における交通ネットワーク・システムを主題に、水上交通と陸上交通の複合的な展開によりもたらされる地域社会の変容を具体的に論証。ヤマト王権の広域的組織化の特徴を解明する。 |
著者紹介 |
長野県生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科退学。茨城大学人文社会科学部教授。博士(文学)。 |
言語区分 |
JPN |
タイトルコード |
1009812668981 |
目次 |
序章 本書の目的と構成 |
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1 本書の目的/2 本書の構成と留意点 |
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第Ⅰ部 国家形成期研究への考古学的視角 |
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第1章 「首長墓系譜」研究の成果と問題点 |
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1 考古学の課題としての政治と古墳/2 「首長墓系譜」研究/3 「首長墓系譜」研究の限界/4 「首長墓系譜」比較研究の問題と東日本からの視角の必要性 |
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第2章 国家形成期の社会変化と列島規模に及ぶ交通との関係性に関する研究課題 |
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1 「首長墓系譜」研究からみえた課題/2 地域社会の領域と構造の解明/3 ネットワークの形成過程と交通システムの復原/4 列島の東西比較における環境からのアプローチ/5 本書の課題 |
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第3章 土器編年と古墳編年 |
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1 土器編年と古墳編年をつなぐ必要性/2 古式土師器の編年/3 古墳出土土器の特性/4 鉄鏃・銅鏃の編年/5 土器編年と古墳編年の整合性 |
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第Ⅱ部 地域社会の構造 |
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第4章 前方後円墳の規格と地域社会 |
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1 古墳の規格/2 善光寺平における地域社会論/3 善光寺平の前方後円墳/4 地域内部の規格共有/5 地域社会のかたちと大きさ |
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第5章 前期古墳の展開と階層構成 |
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1 古墳規模の統計的分布とその変化/2 前方後円墳にみる首長権/3 地域結合体の構造と形成時期/4 弥生時代末から古墳時代前期の地域社会と中期への変化 |
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第6章 五領式から和泉式への転換と中期古墳の成立 |
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1 古墳時代の時期区分と土師器/2 草刈編年にみる前期の土器の伝統性と中期の変化/3 甕にみる五領式の地域性/4 甕にみる和泉式の斉一性/5 甕の斉一化という異常性/6 土器の変革期における古墳構成の変化/7 古墳時代前期から中期への変革 |
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第Ⅲ部 水上交通志向の社会における首長権 |
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第7章 国家形成初期における水上交通志向の村落群 |
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1 環境に対する村落立地の志向性/2 関東水郷地帯における印旛沼西岸地域の位置/3 水上交通志向の村落群/4 列島の環境と水上交通への志向性 |
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第8章 出現期古墳にみる列島の東西関係 |
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1 古墳出現期における列島の東西関係論/2 出現期古墳の副葬品における注目資料/3 鉄剣と鉄槍/4 鉄鏃と銅鏃/5 破鏡と破砕鏡/6 東日本の出現期古墳にみえる東西ネットワークの交錯状況 |
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第9章 前期古墳の壺形埴輪にみる首長のつながり |
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1 東日本の前期古墳と壺形埴輪/2 壺形埴輪の認識と論点/3 五領式の壺/4 東関東の壼形埴輪/5 壺形埴輪の系譜とその意味/6 壺形埴輪からみたネットワークの特徴 |
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第10章 前方後方墳にみる王権と東日本の関係性 |
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1 「前方後方墳」と「前方後円墳」の用語/2 前方後方墳研究の論点/3 畿内・瀬戸内の前方後方墳/4 二つの前方後円墳と二つの前方後方墳/5 東日本における前方後方墳の二者/6 前方後方墳の背景 |
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第11章 前・中期古墳の立地と水上交通 |
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1 古墳と水上交通の関係性へのアプローチ/2 交通を評価するときの前提/3 東関東にみる海上交通と内水面交通を左右する環境要素/4 茨城県域の主要前期古墳分布と内水面交通/5 東関東における中期古墳の変化と水上交通の拡大/6 交通の拡大と古墳の立地変化 |
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第Ⅳ部 列島規模に及ぶ交通システム成立と組織化の過程 |
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第12章 日本国家形成要因としての交通システムの進展 |
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1 日本国家形成過程における長距離交通システムという視座/2 交通システムを理解する前提/3 3世紀から4世紀までの水上交通ネットワーク/4 5世紀におけるネットワークシステムの画期としての陸上交通の機能拡大 |
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第13章 古墳時代交換信用システムの成立と進化 |
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1 長距離での交換取引を可能にする仕組み/2 西アジアの「封泥システム」と国家の形成/3 「信用システム」の検討/4 交換における早期の「信用システム」を考える際の視座/5 儀礼・祭祀の共有という観点からみた古墳時代交換「信用システム」の可能性/6 小結 |
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第14章 水上交通と陸上交通の重心移動からみる国家形成史の展望 |
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1 交通をめぐる繊細な環境バランス下にあった古墳時代の列島/2 長距離水上交通システムの要件と組織化の特徴/3 陸上交通システムの始動要件と組織化への効能/4 交通の重心移動がもたらした王と民衆の関係変化とその記憶の作用/5 交通の重心移動からみた国家形成への展望 |
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終章 本書のまとめと展望 |
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1 地域社会のかたちと大きさ/2 外交関係と依存関係/3 東日本に多く発達しうる線状のネットワーク/4 国家形成の分岐点と天皇制への萌芽 |