書誌種別 |
図書 |
タイトル |
知的障害者の施設解体の試み |
サブタイトル |
障害者自立支援法制定期における自立規範の変容と再編 |
タイトルヨミ |
チテキ ショウガイシャ ノ シセツ カイタイ ノ ココロミ |
サブタイトルヨミ |
ショウガイシャ ジリツ シエンホウ セイテイキ ニ オケル ジリツ キハン ノ ヘンヨウ ト サイヘン |
人名 |
鈴木 良/著
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人名ヨミ |
スズキ リョウ |
出版者・発行者 |
現代書館
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出版者・発行者等ヨミ |
ゲンダイ ショカン |
出版地・発行地 |
東京 |
出版・発行年月 |
2025.2 |
ページ数または枚数・巻数 |
495p |
大きさ |
22cm |
価格 |
¥5500 |
ISBN |
978-4-7684-3610-3 |
ISBN |
4-7684-3610-3 |
注記 |
文献:p482〜495 |
分類記号 |
369.28
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件名 |
知的障害者福祉
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内容紹介 |
2000年代初期の障害者自立支援法制定期において、社会福祉法人によってどのように知的障害者入所施設閉鎖が行われ、施設を規定する自立規範はどのように変容し再編されたのかを、北海道の施設の様子から明らかにする。 |
著者紹介 |
同志社大学社会学部社会福祉学科教授。著書に「脱施設化と個別化給付」「知的障害者の地域移行と地域生活」など。 |
言語区分 |
JPN |
タイトルコード |
1009812825379 |
目次 |
1.社会福祉法人による施設解体 |
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1.1.どちらの立場か?/1.2.施設解体という言葉 |
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2.調査研究の概要 |
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2.1.調査対象施設/2.2.調査方法/2.3.倫理的配慮 |
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序章 研究の視点と問い |
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1.先行研究の批判的検討 |
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1.1.本人のアウトカム(成果)の評価/1.2.家族の地域移行の捉え方/1.3.職員の専門性 |
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2.障害学の視座:規範/相互作用過程/主体 |
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2.1.脱施設化評価研究の限界:自立規範と相互作用過程/2.2.アーヴィング・ゴッフマンの施設論の限界:秩序の変容可能性とエイジェンシー |
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3.研究の問いと本書の構成 |
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3.1.研究の問い/3.2.本書の構成 |
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第一部 居住支援政策における知的障害者観/処遇観 |
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第1章 入所施設とグループホームの制度と動向:1980〜1990年代 |
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1.1980〜1990年代の社会保障政策の特徴 |
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1.1.1980年代:日本型福祉社会/1.2.1990年代:社会福祉基礎構造改革 |
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2.対象者と居住の場 |
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2.1.地域移行と入所施設の重度化の展開/2.2.身辺自立及び就労自立対象のグループホームの展開 |
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3.居住環境 |
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3.1.施設の職員配置基準の見直しと個室化・生活の質の明文化/3.2.小規模・一市民の地域生活としてのグループホーム |
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4.地域社会との関係 |
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4.1.施設による在宅者/グループホーム・自立生活者への専門的サービスの提供/4.2.地域社会の中にある住宅としてのグループホーム |
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5.小括 |
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第2章 入所施設とグループホームの制度と動向:2000〜2020年代 |
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1.2000〜2020年代の社会保障政策の特徴 |
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1.1.2000年代:持続可能性/1.2.2010〜2020年代:地域共生社会 |
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2.対象者と居住の場 |
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2.1.施設数の制限と施設居住者の重度化/2.2.グループホーム入居者の拡大と分類収容化 |
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3.居住環境 |
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3.1.施設の個室化/小規模化の推奨/3.2.グループホームの大規模化/職員配置の類型化/施設環境化 |
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4.地域社会との関係 |
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4.1.施設と地域生活支援拠点/4.2.グループホームと地域生活支援拠点 |
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5.小括 |
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第二部 施設入所と施設生活 |
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第3章 家族にとっての施設入所と施設生活 |
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1.施設入所の経緯 |
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1.1.インフォーマル/フォーマルなネットワーク/1.2.施設生活への適応 |
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2.施設生活 |
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2.1.生活の質への配慮/2.2.自立能力の基準による差別化/2.3.感謝と申し訳なさ |
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3.小括 |
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3.1.インフォーマル/フォーマルなネットワークと施設生活への過応/3.2.生活の質への配慮と自立規範/家族規範 |
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第4章 本人にとっての施設入所と施設生活 |
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1.施設入所の経緯 |
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1.1.普通学校からの分離の経験/1.2.非対称の関係性 |
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2.施設生活 |
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2.1.無力化の過程/2.2.特権体系/2.3.第二次的調整 |
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3.小括 |
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3.1.普通学校からの分離の経験と非対称の関係/3.2.地元への思い/3.3.無力化・特権体系と第二次的調整 |
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第三部 施設閉鎖の背景と方法 |
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第5章 職員の援助観と制度的動向の影響 |
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1.学園Ⅰ |
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1.1.学園Ⅰの開設時の状況:地域との交流/1.2.日常生活の改善と主体性のための試み/1.3.自活訓練事業とグループホーム |
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2.学園Ⅱ |
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2.1.入所者の特徴:「年長組」と高等養護学校卒業生/2.2.無力化による受容/2.3.試行錯誤の取り組み/2.4.虐待行為への自覚 |
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3.学園Ⅰへの異動 |
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3.1.施設内改革の限界への認識/3.2.地域移行の限界への認識 |
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4.制度的動向の捉え方 |
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4.1.ノーマライゼーション・自己決定・地域移行/4.2.施設解体宣言/4.3.支援費制度/4.4 障害者自立支援法 |
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5.小括 |
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5.1.職員の援助観/5.2.構造的変革の志向性と役割解除/5.3.制度的動向の影響 |
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第6章 組織への働きかけ |
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1.法人と自治体の一体化 |
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1.1.町主導の法人設置/1.2.町関係者の出向/1.3.地域の経済や文化への影響/1.4.支援方針を現場職員に委ねる |
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2.組織への働きかけ |
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2.1.改革派グループの形成:目標達成のための集団維持行動の限定化/2.2.権限のある施設長との関係構築 |
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3.分裂と派閥政治 |
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3.1.他の職員集団との分裂/3.2.派閥政治に巻き込まれる |
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4.小括 |
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4.1.組織構造と意思決定の仕組み/4.2.施設閉鎖のリーダーシップの影響 |
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第7章 町行政への働きかけ |
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1.施設解体計画案と実施状況 |
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1.1.施設解体計画案/1.2.実施状況 |
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2.町との関係 |
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2.1.町との協働関係の活用/2.2.制度的動向の活用:市町村主義と障害者自立支援法/2.3.町の方針の重視/2.4.地域移行の優先化と残る施設の解体戦略 |
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3.国や道との関係 |
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3.1.北海道の事業転換交付金/3.2.国の激変緩和措置 |
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4.小括 |
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4.1.施設解体計画と町行政への働きかけ/4.2.自治体行政/制度的動向と組織経営 |
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第8章 本人と家族への働きかけ |
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1.本人への働きかけ |
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1.1.本人の意思の確認/1.2.有限の資源を活用したグループホーム生活体験の提供/1.3.適性に応じた移行対象者の選定 |
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2.家族への働きかけ |
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2.1.家族と施設、家族同士の関係の変化/2.2.制度的動向の活用/2.3.本人の意思の伝達/2.4.有限の資源を活用したグループホーム生活体験の提供/2.5.生活の安定の保障 |
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3.小括 |
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3.1.本人への働きかけ/3.2.家族への働きかけ |
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第四部 地域移行と地域生活 |
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第9章 施設と地域の生活実態 |
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1.調査概要 |
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1.1.調査方法/1.2.尺度 |
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2.施設とグループホームの差異:プライバシー・外出・日課・地域との関わり |
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2.1.プライバシー/2.2.外出/2.3.日課/2.4.地域との関わり |
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3.施設とグループホームの共通性:組織運営と危害に関わる事柄 |
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3.1.組織運営:食事・居住場所・共同入居者など/3.2.危害に関わる事柄:健康・金銭・安全・性 |
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4.自立能力に応じて生活条件が異なる居住形態 |
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5.小括 |
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5.1.過去の施設生活と現在のグループホーム生活/5.2.現在の施設・グループホーム・一人暮らし |
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第10章 本人にとっての地域移行と地域生活 |
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1.自立規範の変容 |
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1.1.職員による働きかけの重視/1.2.再入所リスク軽減の認識 |
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2.序列化された居住支援の仕組み |
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2.1.地域移行者と施設生活者/2.2.職員常駐型グループホームと職員巡回型グループホーム/2.3.一人暮らし |
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3.生活戦術 |
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3.1.妥協の限界線/3.2.状況からの引き籠り/3.3.植民地化/3.4.転向 |
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4.小括 |
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4.1.自立規範の変容/4.2.自立規範の再編 |
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第11章 家族にとっての地域移行と地域生活 |
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1.施設解体計画の説明 |
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1.1.自立の困難性/家庭復帰への不安/親への批判/1.2.無関係な問題としての理解/1.3.施設側の決定への受動的態度:信頼と遠慮 |
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2.自立規範の変容 |
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2.1.生活の質の向上の重視/2.2.自立能力にかかわらず地域生活を希望すること |
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3.序列化された居住支援の仕組み |
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3.1.グループホーム/3.2.一人暮らし/3.3.施設 |
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4.施設の捉え方 |
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4.1.地域移行した本人の親:将来の予測不可能性ゆえの施設の肯定/4.2.学園Ⅱの親:施設生活の安心感と正当化 |
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5.小括 |
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5.1.地域移行の説明の捉え方/5.2.自立規範の変容/5.3.自立規範の再編 |
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第12章 職員にとっての地域移行と地域生活 |
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1.自立規範の変容 |
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1.1.施設の構造的限界の再認識/1.2.本人の潜在的可能性の発見/1.3.自立能力の相対化 |
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2.序列化された居住支援の仕組み |
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2.1.グループホームの類型化/2.2.施設 |
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3.生活の質の最適化を図るための支援 |
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3.1.生活環境の改善/3.2.序列性の活用による自立への動機づけ/3.3.施設活用によるグループホーム経営の安定化 |
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4.小括 |
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4.1.自立規範の変容と再編/4.2.先行研究との比較 |
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終章 研究の意義と示唆 |
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1.本研究の意義:先行研究との比較 |
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1.1.先行研究の批判的検討/1.2.居住支援政策における知的障害者観/処遇観/1.3.施設入所・施設閉鎖・地域移行/地域生活 |
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2.脱施設化政策・実践への示唆 |
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2.1.脱施設化政策の目標と基盤整備/2.2.グループホーム制度/2.3.居宅介護サービス制度:重度訪問介護/2.4.意思決定支援/2.5.ネットワーク |