書誌種別 |
図書 |
タイトル |
<非在>のエティカ |
サブタイトル |
ただ生きることの歓待の哲学 |
並列タイトル |
L'éthique de la《non‐existence》:Philosophie de l'hospitalité du vivre |
タイトルヨミ |
ヒザイ ノ エティカ |
サブタイトルヨミ |
タダ イキル コト ノ カンタイ ノ テツガク |
人名 |
小野 文生/著
|
人名ヨミ |
オノ フミオ |
出版者・発行者 |
東京大学出版会
|
出版者・発行者等ヨミ |
トウキョウ ダイガク シュッパンカイ |
出版地・発行地 |
東京 |
出版・発行年月 |
2022.9 |
ページ数または枚数・巻数 |
24,350,30p |
大きさ |
22cm |
価格 |
¥6600 |
ISBN |
978-4-13-051363-0 |
ISBN |
4-13-051363-0 |
注記 |
文献:巻末p11〜30 |
分類記号 |
104
|
件名 |
哲学
|
内容紹介 |
「存在か無か」の図式のかげにとり残されてきた<非在>の居場所をまなざし、「ともにある」ために、哲学にはなにが必要で、なにが可能なのか。人間であることの歓びとかなしみを根源的に問う。 |
著者紹介 |
1974年滋賀県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程学修認定退学。同大学博士(教育学)。同志社大学グローバル地域文化学部教授。 |
言語区分 |
JPN |
タイトルコード |
1009812620538 |
目次 |
序章 思考のはじまりの痕跡 |
|
第一節 <かなしみの知>と<知のかなしみ>/第二節 知と経験のむすぼれ/第三節 思考することと生きること/第四節 本書の問題構成 |
|
第Ⅰ部 人間的なるものの在り処-<非在>の思想的水脈 |
|
第1章 コモン・センスとしての応答的理性 |
|
はじめに 「人間的なるもの」/第一節 官僚制の両義性と人権の逆説的無根拠性/第二節 啓蒙の極点へのまなざし/第三節 行為と知のあいだの裂け目と悲劇/第四節 真理と意味、あるいは科学と政治/第五節 人格/人称性のはじまり/第六節 人間の無力さ・弱さ・苦境/第七節 赦しと約束/第八節 知のパトス/第九節 哲学の起源としてのパトス/おわりに コモン・センスとしての応答的理性へ |
|
第2章 ただ生きること、あるいは<非在>の歓待 |
|
はじめに 「ただ生きること」をめぐって/第一節 「剝き出しの生」という例外化装置/第二節 インファンティアと言語活動/第三節 <非の潜勢力>、あるいは到来する<非在>の迎え入れ/第四節 「被ること」とそれ自体への贈与/第五節 なんであれかまわないもの/おわりに 鈍感(ア・パテイア)の飽和した世界で |
|
第3章 ホショウ科学時代におけるパティ・マトス |
|
はじめに/第一節 モデルネへの問い/第二節 様態とリズム/第三節 <非の潜勢力>と使用という<生の形式>/第四節 パテイ・マトス(受苦をとおして学ぶこと)の経験/第五節 成熟する主体と認識を増殖させる主体/第六節 経験と科学/第七節 ホショウ科学時代における経験/おわりに |
|
第4章 審問されるコナトゥス、エティカの行方 |
|
はじめに 係争のコナトゥス/第一節 自己保存的理性(アドルノ/ホルクハイマー)/第二節 コナトゥスとは逆向きの解体(レヴィナス)/第三節 傷つけて癒すもの、あるいは凸面から凹面への転換/第四節 *seへの解放/第五節 レヴィナスを読むアガンベン/第六節 逃走というエティカ/第七節 コナトゥスにはらまれた二つの力/おわりに 「人間的なるもの」の希望 |
|
第Ⅱ部 <かなしみの知>と<知のかなしみ>のほとりから-弱さとともに生きること |
|
第5章 <非在>のエティカの生起する場所 |
|
はじめに パトスの記憶誌/第一節 孤独な魂のさまよい/第二節 絶対孤独が生み出す関係性/第三節 救うものと救われるものの相互照応/第四節 加害者への憐憫の情/第五節 対立構図からの転換と赦しの可能性/第六節 「悶え加勢」から問い直される共同性/第七節 水俣病における認定問題と潜在性-承認のポリティクス/第八節 グレイゾーンと向き合う-「存在の現れ」の政治/第九節 <非在>のエティカのために-存在でも無でもなく/おわりに 「もうひとつのこの世」の余白に |
|
第6章 悲しみの器と煩悩のケア |
|
第一節 煩悩の深くして/第二節 煩悩のケア/第三節 悲しみの器/第四節 ともに在ること |
|
第7章 <ひずみの底の未来イメージ>、あるいは弱さの倫理 |
|
はじめに <一九六八年五月>と科学技術の政治性/第一節 市民の政治と水俣「死民」/第二節 鶴見俊輔の「大衆」と水俣/第三節 土法としてのプラグマティズム/第四節 日常性にもとづく哲学言語の構築/第五節 科学への態度/第六節 <ひずみの底の未来イメージ>/第七節 老いとアンラーニング/おわりに 弱さの倫理 |
|
第8章 「方法としてのアナキズム」考 |
|
はじめに ユートピアとしての漫画的精神/第一節 鶴見俊輔における漫画的精神の諸相/第二節 イミタブル・パターン/第三節 無関心の精神史/第四節 暮らしの中の反射の貯蔵/第五節 「【ソウ】札」あるいは身もだえの知/第六節 技術者の合理性を支柱にして/おわりに 「方法としてのアナキズム」考 |
|
第9章 <知のひと>から<受苦するひと>へ |
|
第一節 石牟礼と鶴見の出遭い/第二節 媒介としての田中正造と林竹二/第三節 コトバの罪、存在する罪/第四節 ことばの尽き果てるところがらの言伝て |
|
終章 <非在>のエティカ |
|
はじめに/第一節 弱さの思想/第二節 共苦するパトスの行方/第三節 <非在>の多元的な位相/第四節 コナトゥスと遊動性のエティカ/第五節 ただ生きることの歓待と「方法」への目覚め/おわりに 智慧のちいさな種 |