書誌種別 |
図書 |
タイトル |
「語り」は騙る |
サブタイトル |
現代英語圏小説のフィクション |
タイトルヨミ |
カタリ ワ カタル |
サブタイトルヨミ |
ゲンダイ エイゴケン ショウセツ ノ フィクション |
人名 |
平林 美都子/著
|
人名ヨミ |
ヒラバヤシ ミトコ |
出版者・発行者 |
彩流社
|
出版者・発行者等ヨミ |
サイリュウシャ |
出版地・発行地 |
東京 |
出版・発行年月 |
2014.3 |
ページ数または枚数・巻数 |
228,22p |
大きさ |
20cm |
価格 |
¥2800 |
ISBN |
978-4-7791-1990-3 |
ISBN |
4-7791-1990-3 |
注記 |
文献:巻末p10〜22 |
分類記号 |
930.27
|
件名 |
小説(イギリス)
|
内容紹介 |
「語り」が「騙り」となって、どのようにフィクションの可能性を広げていくのか。現代英語圏小説から、アトウッド、バーンズ、イシグロなど、読者の「解釈を拒む」テクストを取り上げ、「語り」の不確かさに迫る。 |
著者紹介 |
名古屋大学博士後期課程満期修了。愛知淑徳大学文学部教授。博士(文学)。著書に「表象としての母性」など。 |
言語区分 |
JPN |
タイトルコード |
1009811773121 |
目次 |
序章 「語り」というフィクション |
|
リアリズムからモダニズムへの「語り」の変化/虚構の伝記/自伝風小説/自伝と不確定な記憶/信頼できない「語り」/「語り」とテクスト |
|
第一部 人生の可能性を広げる「語り」 |
|
第一章 物語生成のダイナミズム-マーガレット・アトウッドの「母の人生において意義のある瞬間」 |
|
「語り」の視点の重層性/母の「声」/娘の「語り」/「語り」のダイナミズムとポストモダン |
|
第二章 「今、ここ」の限界を超えよう-ジャネット・ウインターソンの『パワー・ブック』 |
|
制度としての小説の解放/コンピュータとフィクション/インタラクティヴな「リアリティ」/ウィンドウと多様な自己/ゴミ(過去)を捨ててストーリー(人生)を |
|
第二部 信頼できない「私」の「語り」 |
|
第三章 クイアな語り手-アニタ・ブルックナーの『英国の友人』 |
|
信頼できない語り手/水の都ヴェネツィアと欲望を隠す語り手/「母」を求める/クイアな語り手/クイアなヴェネツィア |
|
第四章 「語り」の起源としての母-カズオ・イシグロの『わたしたちが孤児だったころ』 |
|
起源を巡る記憶語り/第一人称語りの記憶/推理小説形式と起源探し/子ども時代への執着/母の喪失/起源のメタファとしての母 |
|
第五章 自伝風小説の記憶騙り-ジュリアン・バーンズの『終わりの感覚』 |
|
四十年後の記憶語り/時間認識-クロノスからカイロスへ/分裂する「私」/物語の時間と「語り」の時間/自己再帰性とアイデンティティ/記憶の修正/記憶物語という騙り |
|
第三部 限定された視点 |
|
第六章 「語り」とテクストの位相-キャサリン・マンスフィールドの「至福」 |
|
限定された「語り」の視点/自己認識できないバーサ/夫を理解できないバーサ/幻想のレズビアン的欲望/テクストが語ること |
|
第七章 赤く息づく卵から孵化する物語-マーガレット・アトウッドの「青ひげの卵」 |
|
「青ひげ物語」の語り替え/「青ひげ物語」の白い卵/サリーにとってのエド(卵)/インターテクスチュアルなバーサ/卵の視点とは |
|
第四部 ジェンダーを揺さぶる「語り」 |
|
第八章 ジェンダーのねじれ-E・M・フォースターの「紫色の封筒」 |
|
解明されない謎/<父>不在の<父殺し>のプロット/ジェンダーのねじれ-肉食か草食か/女性化への誘惑/男性化するハワード/クイアな語り手 |
|
第九章 混乱するジェンダーとセクシュアリティ-E・M・フォースターの「アザー・キングダム」 |
|
読解の残余と「語り」/父亡き子と金/実利的世界観/英国的権威/男性性のほころび/オイディプスから地霊へ |
|
第五部 「語り」は騙る |
|
第十章 ゴシックの家から非言語の部屋へ-ミシェル・ロバーツの『家の娘たち』 |
|
ゴシック的物語/家父長制ゴシックの家/「父の娘」レオニー/「母」の回復/騙りと非言語 |